父から継いだ工場が破産寸前。離婚を覚悟し、妻に打ち明けると「印鑑取ってくる」と席を立ち寝室に。そして一つの封筒を突き出された・・・

その男性は、交際3年、

その後結婚してから10年。

子供はいませんでしたが、

それでも十分すぎるほどの

幸せが夫婦の間にはありました。

裕福ではなかったものの、

二人が慎ましく生きるのには

不自由しない生活もありました。

幸せだと妻に直接言う機会はあまりなかったけど、

いつも心の底から幸せを感じていました。

そんな日々が、あっけないほどに脆く、

崩れ去ろうとしています。

父が経営を行う工場で働いていたのですが、

2年前に父が急死し、経営を継ぐ事になったのでした。

初めての経営は、とても難しいもの。

スタッフ全員で力を合わせて何とか

壁を乗り越えてきましたが、いよいよ経営が立ち行かず、

資金繰りが苦しくなってしまったのでした。

破産したら、負債が残り、

社員を手放し、取引先もなくなる。

でも銀行も消費者金融も、

もうお金は貸してくれません。

「いつも強がっていたのに、

突然破産なんて言ったらどう思うのだろう」

「離婚を告げられるかもしれない」

死にたくなるほど苦しい気持ちの中、

妻に月末で破産するということを打ち明けます。

しばらく、何も言わなかった妻。

しかし、沈黙を破った一言は、何とも厳しい一言でした。

「印鑑、取ってくる」

そう言って、席を立つ妻。

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ggg

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